お知らせ

電波暗室とEMC測定/EMC対策

電波暗室 を広く企業の皆様にご利用いただき、革新技術の開発と実装に不可欠なEMC対策に役立てていただくことを目的に、京都工芸繊維大学では国際規格に適合した最新電波暗室の一般供用を2018年8月から行っております。
EMCとは「電磁環境適合性」と呼ばれ、これに適合するためには、電気機器が他の機器に妨害を与えるような余計な電磁波を出したり、反対に他の機器からの影響に耐えられる性能を有していることが求められます。
本電波暗室は、EMC測定(EMC試験)のうち、製品の研究開発段階から重要となるエミッション(EMI)測定を2018年8月から開始し、2018年12月には、我が国の業界自主規制であるVCCIの登録設備となりました。
さらに2019年6月からは、放射・伝導イミュニティ(EMS)測定を開始しました。
近年、多くの通信機器にもコンピュータなどの情報処理機能が搭載され、ロボットや IoT に象徴される通信しあう機器が爆発的に増加してきており、こうした機器が誤作動を起こすことのないよう新たな対策が必要になってきております。本学電波暗室につきましても、こうした早い技術革新を背景に企業の皆様のご要望にお応えし、試験項目の強化を行っています。

電波暗室の重要性

EMCに適合しているかどうかを測定するためには、電気機器と測定機器を外部からも内部においても電磁波の影響を受けない環境下に置き、正確に測定する必要があります。この環境を実現するのが「電波暗室」です。

共同研究への橋渡しとしての役割

本学が整備した電波暗室には、電気回路から発生する電磁波(妨害電磁波)(EMI)や、逆に他の機器からの電磁波の影響に耐えられる性能を有しているか(EMS)を国際規格で正確に測定できる装置を備えております。特任専門職のもと、特に新たな革新的なパワーデバイスや装置の開発において、研究開発時からトライ&エラーを繰り返しての共同研究につながる場としても体制を整えております。
京都市の施策との連携

電波暗室と測定項目の概要

【電波暗室仕様】
3m法国際規格適合:
有効寸法:幅5.8m 奥行8.8m 高さ5.6mを確保するとともに、ターンテーブルは耐荷重500kgとなっています。
【測定項目】
放射エミッション 9kHz~6GHz
伝導エミッション 9kHz~30MHz
放射イミュニティ 80MHz~6GHz
伝導イミュニティ 150kHz~230MHz
部品等の高周波特性(ネットワークアナライザ)10MHz~90GHz
【運用体制】
電波試験技術者国際資格 iNARTE-EMCエンジニアの資格を有する実務経験も豊富な専門職が常駐し、事前のご相談から実際のご利用、測定に至るまで、きめ細やかに対応できる体制を確保。
広く学外の方にご活用頂けるよう開放しています。

VCCI協会登録設備

我が国業界団体の自主規制である一般財団法人VCCI協会規定の測定設備として登録(2018年12月10日)されております。VCCI協会の会員であれば、自社に登録測定設備がなくとも本学の電波暗室を利用頂くことで、VCCI適合確認試験を行うことが可能です。
登録設備の概要
3m法電波暗室
・1GHz以下放射エミッション測定設備
・AC電源ポート伝導エミッション測定設備

VCCIの詳細については、次の協会ホームページをご参照下さい。
http://www.vcci.jp/

2023/03/27更新